中国超古代伝説の星神 牽牛は古本州島に居住し、日本神話の星神 天津甕星がその末裔だった…
失われた星神たちの歴史を中国史書や古事記、日本書紀を手掛かりに復元したものが『新釈 七夕物語』です
論理構成
新しい解釈のロジックは、以下の4組の仮説群から構成されます
A 牽牛が日本に実在した
A‐1 中国発祥の七夕伝説で登場する牽牛は水域の東にいるとされ、天帝や織女がいる本土側にはいなかった ⇒ 日本にいた男性星神ではないか?
A-2 牽牛は伝説上の中華皇帝=地上全体の統治者とされる
A-3 秦始皇帝や魏志倭人伝の使者が、日本に牽牛がいるか捜索したような痕跡がある
B 天津甕星が国譲りの主体だった
B-1 日本神話の男性星神 天津甕星は、一説によると国譲りで最優先に征討されるべき対象とされた(日本書紀別伝 一書の二)
B-2 隋書倭国伝で、西暦600年の第一回遣隋使と607年の第二回遣隋使の発言が大きく異なり、派遣元が違っていた可能性がある
B-3 第一回の倭王は自らが明けの明星であると示唆しており、金星の化身とされる天津甕星と推測される
B-4 第二回を厩戸皇子と見る伝統的解釈を踏襲すれば、西暦600-607年に天津甕星から厩戸皇子へ政権交代(国譲り)があったのではないか?
C 飛鳥時代前半の大和朝廷の内外施策
C-1 西暦600年代の大和朝廷が目覚ましい国内政策を次々と打ち出したのは、この政権交代を契機としていたのではないか?
C-2 対等関係を主張した第二回遣隋使や西暦663年の白村江の戦い等、飛鳥時代前半の大和朝廷の外交政策が強気過ぎるきらいがある
C-3 強硬拡張外交の背景に、継承した統治権が国内限定ではなく地上全体に及ぶものだったこと(中華皇帝位)が隠されていたのではないか?
D 白村江敗戦後の施策
D-1 白村江敗戦後に地上統治権の存在を隠蔽し続ける目的で、天武天皇がそれまでの史書の破棄し、記紀編纂を命じたのではないか?
D-2 牽牛ー天津甕星ー厩戸皇子ー舒明天皇と継承された地上統治権を縮小するため、新たに天照大御神由来の国内限定統治権を創作し、国譲りの主体を天津甕星から大国主に書き換えたものが古事記/日本書紀と推察する
以上の4組の仮説群が、中国と日本の神話を統合する七夕伝説の新解釈としての骨格をなします
この前後に遺伝学や考古学、近現代世界史といった、七夕伝説とは直接関係がない学問分野の最新知見を付け加え、人類通史的な皇帝位の変遷を追っています
あらすじ
★ 中国の超古代神話の星神 牽牛(初代彦星)は地上全体を統べる中華皇帝であり、大陸ではなく古本州島に住んでいました
★ 天の川伝説は、2万~6千年前頃の海面上昇によって古本州島が星神を乗せたまま大陸から遠ざかり、往来しづらくなった史実を反映しています
★ 現在の中国で、織女は5千年前頃の四川地方の古代文明三星蜀の女王と推定されています
★ 秦始皇帝が徐福を派遣し、魏志倭人伝の使者も日本に上陸して捜索したものの、東国にいた星神の所在をつかめず架空の存在とされました
★ 日本書紀に登場する常陸の星神 天津甕星(二代目彦星)が、中国神話の牽牛の末裔でした
★ 甕星は、正統な皇帝位が日本にあることを中国が知れば争いの種になると見越し、隋に後世への暗号メッセージを残したうえで(西暦600年 第一回遣隋使)、厩戸皇子に統治権を委ねて歴史の表舞台から身を引きました
★ 対等関係を謳った第二回遣隋使や白村江の戦い等、飛鳥時代の大和朝廷の外交姿勢は、現代から見て不思議なほど強気なものでした
★ 強硬拡張外交の背景には、大和朝廷が受け継いだ統治権が、日本国内限定でなく地上全体に及ぶものだったことが隠されていました
★ 白村江出兵の大義名分は百済再興ですが、先進強大な唐と戦って勝てる勝算は地上統治権にあったのです
★ しかし、天智天皇(中大兄皇子)の目論見は外れ、日本は惨敗して唐兵が九州に上陸します
★ 後を受けた天武天皇は、地上統治権の存在を中国から隠し続けるため、それまでの史書を破棄して新たな神話の制作に着手しました
★ 古事記や日本書紀は、大和朝廷による国内統治を正当化するためでなく、広過ぎる統治範囲を国内限定に縮小する目的で創られました
★ 甕星の名は古事記で触れられず、日本書紀では悪神とされました
★ こうして星神の国内史は消し去られ、代わりに中国から逆輸入した七夕伝説で置き換えられたのでした
★ 時は下り、19世紀後半から帝国主義時代の世界的戦乱期になりました
★ 帝国主義の時代に世界各国で多くの皇帝が生まれ、消え去りました
★ 1911年武漢発祥の辛亥革命によって、中国皇帝は2千年余りの歴史に幕を閉じました
★ 第一次世界大戦を通じて、ロシア皇帝は革命により、ドイツ皇帝は敗戦により退位し、ローマ帝国の名残りは消えました
★ 第二次世界大戦の後、戦勝国イギリスの皇帝位はインド独立によって消滅しました
★1974年にエチオピア革命が起こり、不思議なことに、敗戦国日本の天皇が世界で唯一のEmperorとして生き残りました
★ 歴史の審判はすでに下されました。先史時代の牽牛から現代の天皇に至るまで、元来、日本の皇統が正統な地上唯一皇帝=中華皇帝だったのです
★ 日本国君主天皇は、世界の統合中心たる全人類にとっての皇帝です
ストーリー原案図
この物語は、人類史から消えた星帝を軸とする古今の皇帝論です
現生人類Homo Sapiensが発生した20万年前から始まり、現代に続いています
範囲が広大なため、ストーリーの流れを年表形式にまとめました
原案図はPDFでダウンロード可能です
当店は、神社等の宗教施設でなく雑貨店ですが、本図(情報)を納めた邸内社が設置されています
情報に実体はありませんが、知には世界を動かす力があると信じ、御神体に見立てています
章立て
各論の詳細は、下のリンクからお入りください
(現在第二部の書きかけで、以降は未編集です)
- 第一部
- 第二部
- 続 編スピンオフ物語
- 終 章Grande Finale
- 外 伝西洋記聞
Ⅰ 東方の星伝承
Ⅱ (近日公表)